強迫性障害とは?

自分の心の中に”不安”や”不快”の感情が浮かび、それを振り払おうと思うのに、なかなか抜け出すことが出来ない不安症の一種です。いったん強迫観念が湧き上がると、”病的な”不安や不快感に耐えられず、それを払拭したり中和したりするために「繰り返し行為」や「とらわれ行為」が続き、やがて生活にも支障をきたすようになります。本病はまれな病気だと考えれていましたが、アメリカの調査では、平均発症年齢は19.5歳と若い世代を中心に発症。(男性は女性よりも早期に発症する)有病率は1.1~1.8%と比較的高く、100人に1~2人はかかるとの報告があります。原因としては、脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の異常が挙げられますが、はっきりとしたことはわかっていません。半数以上は突然発症し、一般的にはストレスを感じる出来事のあとに発症することが多いと言われますが、性格や心理的な問題で発症するとは言えません。

不合理と感じながらも「やめられない」

例えば、「手や体が汚いきがする」という強迫観念が湧き上がってくると、繰り返えし手を洗ったり、長時間風呂に入ったりします。外出後に「戸締りを忘れたのではないか?」という強迫観念に取りつかれると、家に戻って戸締りを確認する作業を何度も繰り返します。また、必要もないのに数を数えたり、自分だけの行動ルールを作り、間違えたら最初からやりなおす、自分なりのルールにこだわるといった儀式的なものまで様々です。本人はそれらの行動が過剰で不合理であると自覚している点も特徴的です。

≪その他の具体例≫
・ものが捨てられない(あとで使うのでは?と不要なものを溜め込んでしまう)
・車で人をはねてしまったのではと考えてしまう
・「4」「9」「13」など不吉とされる数字を気にする

単なる「心配」とは別物

普通の人でも戸締りが気になることはありますが、一度確認すれば安心するもの。しかし強迫性障害では、一度確認して強迫観念を打ち消しても、しばらくするとまた同じ強迫観念が湧き上がってきます。その為に何度も”脅迫行為”を繰り返し、一日の多くの時間を行動に費やしてしまうことがあります。その結果、学校や仕事に遅刻するなど、日常生活に支障をきたすこともあるのです。実際にはあまり起こらないようなことに対する心配や疑念、不吉な想像をする癖からなかなか抜け出すことが出来ません。

強迫性障害の改善策

症状や重症度は様々ですが、何も治療をしないと、慢性的に経過しながら、次第に症状がエスカレートします。病院では薬物療法と同時に行動療法を行なうことが多いようです。しかし、治療は長期に渡ることが多く、その間に化学的なお薬を継続することに不安を感じる方も多くより体に優しく、穏やかな対策として漢方薬の利用を選択される方も増えています。
さらに漢方薬の利点は体に優しいだけでなく「病院のお薬を減らすきっかけにもなる」という点にあります。自分のチカラだけでお薬を減らすことは、多くの工夫と困難を伴いますが、漢方には自転車の補助輪のような役割がある為、あなたを支えながら前へ進む手助けをしてくれることでしょう。なお、漢方薬には習慣性・耐性はありませんので、少しづつ服用回数を減らし、最終的には全体的なお薬から卒業できることを目指します。

強迫性障害の漢方薬

当店が取り扱う漢方薬は、原料からこだわり、少しでも有効性の高いと思われるものを取り扱っています。ただし、強迫性障害=この漢方!というように、お薬が決まっているわけではありません。お客様の体質や症状のレベルに合わせ、オーダーメイドで調整するのが特徴です。

お薬の服用期間

お薬の服用期間については個人差がありますが、まずは1~3ケ月の間に変化が現れることを目標としています。お体への変化には個人差があることはご理解ください。また、脳の働きをはじめ、根本的な改善となると半年~、一年以上~と長い時間がかかる可能性もございます。ただし、当店のお薬を飲み始めることで、今まで感じていた”生きづらさ”を少しづつ克服する実感を持たれる方が多いのは大変喜ばしいことです。また、お薬だけに頼らずに、生活習慣や思考を整え、自身のコントロール力をつけるサポートもいたします。その為の”養生アドバイス”もカウンセリングの重要な一部であると考えています。

強迫性障害の症例

症例①(30代 男性)

仕事を始めた10年ほど前(20代前半)から不安や恐怖を感じるようになりました。例えば、水の蛇口を締めたか?など日常生活の中で必要以上に「確認」をしなければ気持ちが収まらず困っています。

調子が良い日はあるものの、ほぼ毎日のように頭がボーっとしやすく、モヤモヤ感がある。身体に余計な力が入りやすく疲れやすい。日中のトイレの回数が多い。などの症状にも悩まされています。音楽が好きなので、ライブなどにも行きたいが、不安もあり気が進まない。

お話し中はとても穏やかで、優しい印象を受ける男性でした。

問診の結果、自律神経の調整をする漢方薬と補助剤を2種類ご提案。

2週間後…
大きな変化はなかったようですが、頭のモヤモヤ感が減った気がするとの感想を頂けました。

さらに3週間後…
劇的な変化ではないが、明らかに全体的に体調の良い日が出てきているとのこと。運動の為、毎日の散歩も開始。

2カ月目…
ご自身の「治りたい」という意思がしっかりしている。

まだライブに出かけるほどの気持ちにはなれないようですが、一歩一歩焦らずに調整を続けていただこうと思います。今後の変化が楽しみです。

症例②(40代 女性)

数年前から動悸・不安感・不眠の症状に悩まされてきました。

また、昔から日常生活では様々な悪いイメージを考える癖がついており(例えば自転車に乗れば転ぶイメージ、電車に乗れば事故にあうイメージ)そのたびに行動が不安で止まってしまう、一種の「強迫性障害」のような症状が気になるとのこと。

抗うつ剤を飲むと落ち着くが、やめるとまた再発を繰り返してきたそうです。

店頭でお話をしている間は非常に穏やかで、特別な症状がある様には見えない方でした。人前では常に気を使い、我慢強い性格もあるようです。

問診の結果、自律神経の調整をサポートするお薬と補助薬をご紹介。

服薬開始一ヶ月…
まだ大きな変化は出ていません。漢方薬の改善には、辛抱強く続けていただく事も大切です。

服薬開始二ヶ月…
以前感じていた動悸・不安感・不眠の症状が和らいだ感覚があります。

服薬開始三ヶ月…
まだまだ悪いイメージは浮かびますが、日常生活は楽に感じる。

体質改善の過程ですが、焦らずに体調の安定に向けてお薬を続けていただこうと思います。

 

 
症例・漢方治療歴に他の患者様の症例ものっています。 どうぞ参考にされて下さい。
症例・漢方治療歴 強迫性障害